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あいさつ

表紙の写真の作品は、2003年に制作したものです。
尚、当ブログの記事の引用・転載は必ずリンクを貼ってください。


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伝言36



さざ波の
五月雨の
緑の黒髪
いと白きひと

草笛の
草いきれの
白きたおやかな峰々

いと白き
いとおかしき
いと見目麗しき
そのかぐわしさの中に
我、鎮まりたり

あさしき
眼差し
見目麗しき

そこそこにみゆる
陽炎のごとく
揺れ動けり


2009/05/16 (土) 15:51

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タントラひと休み

8章は気持ち悪くはないけれど、内容がめんどくさくて思考がついていかない。
ダライはこのADI BUDDHAになろうとしているのだと思う。
権力ほしさの欲望以前に、私には狂気としか思えない。

下の記事でパッと目についたのが、「Tenの力」
これって「天の力」というよりも

「点の力」、「転の力」 でしょ。

いつもの直感で。


「Ten」を逆にすると「Net」
丸ごと逆読みすると「力のNet」

「力の網」、「力の網織物」、「力の罠」だ。

こちらはお遊び。

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世界を支配する王 その30


http://pds.exblog.jp/pds/1/200905/19/62/b0086362_1935018.jpg',400,300,'1');" OnMouseOver="this.style.cursor='hand'"/>


『ダライ・ラマの闇』
http://www.iivs.de/~iivs01311/SDLE/Contents.htm

yasuさん翻訳による8章のつづきです。

8. ADI BUDDHA:彼の神秘的な体と彼の星の面

The “Power of Ten”: The mystic body of the ADI BUDDHA
「10の力」:ADI BUDDHAの神秘的な体

カーラチャクラタントラで記述される神秘的な体を通しての宇宙エネルギーの制御は、中世のヨーロッパでも知られていた伝統である。西洋の哲学の学校で、人間の神秘的な体の解剖と宇宙学を同じ科学と考えていた所もあった。人と宇宙は、統一体をつくりあげた。Homo omnis creatura ? 「人は、全ての創造である」。この見解では、小宇宙の器官と四肢 ? たとえば心臓、臍、腕、頭、目、 ? すべてに大宇宙との相関関係があった。

ADI BUDDHAの力の拡大のためには、小宇宙の条件を認識するためのヨギの中性的な身体、つまり我々が上で解説したmahaムドラー(精神)の内面化が必要となる。絶対的パワーは独りの人間の内にある男性と女性原理の「神秘的な結婚」を通して想起されるという強迫観念的概念があり、これはヨーロッパの錬金術への囚われをも含んでいた。両方の文化(西洋と東洋の)において、タントラ教=錬金術という方程式が中心的な役割を果たしていて、これは真剣に受けとられるべきだという事実にわれわれはいま一度直面している。西洋人による「すばらしい業績」 (opus magnum)の終わりには、個人を超えて全能な存在、別の言葉でいうと「コントロール原理(男性的な)とコントロール原理(女性的な)とを同時になしとげ、そしてしたがって中性的であるもの」と遭遇する(Evola、1989、48ページ)。関連したテキストではHermaphroditusに関して言及し、その男性的な側面は神ヘルメスから、女性的な側面が愛の女神アフロディテから構成されていることを示している。この両性的な神は、全宇宙の創造精神であるADI BUDDHAのようだ。Corpus Hermeticum、後期エジプトの秘技?魔術のテキストのコレクション(200B.C.?200年)には、 ヨーロッパの錬金術が引き合いに出されている。 「知的な存在?男性的な / 女性の神?生命であり光である」。そしてそれが全宇宙をつくりあげた事を読み取れる。(Evola、1989、pp. 78、79)。このような基本的な相関関係は、2つの文化的世界の驚くべき類似がとても大きいということを明らかにしている。Kalachakraタントラとヨーロッパの錬金術は、共通した源泉から生まれたという意見を非常によく耳にする。

我々がすでに詳しく報告したように、西洋/錬金術とタントラ/仏教両者の試みの中にある宇宙的両性具有者の人工的発生は、女性の球面の犠牲とその後の男性的な球面への統合に引き続いて起きる。その上、両方のケースにおいて、熟練者の古く精神的で身体的な「集合体」は破壊される。錬金術師も彼のタントラの同僚として同時に死に、彼がゴールに至るまで、いくつかの微妙な死を「生きながらえる」。彼も、神として生まれるためその人間存在を溶解する。テキストが言及するように、彼自身を「新しいアダム」?全宇宙的超人(または神)?に昇華するために「古きアダム」(彼の人間の存在) をはぎ取る。タントラが彼の現実の個性と自我を死に至らしめ、そして神の船を提供するように。

小宇宙/大宇宙の教義によって、両性具有者は ? Vajrayanaにおいてそうであるように錬金術においても ? 彼のmysto-magicalな体の助けを借りて全宇宙に渡るコントロールを試みる。オークの木がドングリから成長するように、全宇宙的パワーの起源はヨギ内部にあって、それが「小さな」体から成長し、最終的に宇宙の「大きな」体に拡大する。この小宇宙/大宇宙理論において、ヨギの神秘的な身体が中心のモナドであり、他の全てのモナド(そして他の全ての人々も)は単にその反映であると見なしている。 より具体的に言うと ? そして錬金術とタントラはとても具体的である ? 彼のエネルギー体の制御を通して、宇宙雌雄同体(ADI BUDDHAまたは錬金術のHermaphroditusヘルマフロディトス)は、星の軌道、 我々の知る世界政治、そして個人の精神を決定している。

The dasakaro vasi
dasakaro vasi 十の力

ADI BUDDHAの小宇宙体は、?彼はこれにより全宇宙をコントロールするのだが?カーラチャクラタントラでは「Tenの力」(サンスクリット語のdasakaro vasi;チベット語のnamchuwangdan)という名の謎のシンボルによって表されている。ドイツの東洋学者(AlbertGrunwedel)は、それを「強力な10の形」と呼び、最初の西洋チベット研究家Csoma de Korosは、「世界の10の防御」と呼んだ。

我々はラマ教徒の持つものにその特性を多く見つける。それはお守りのための本のカバーとして、また魔除け入れの小さな箱と容器を飾り、卒塔婆の上にもあり、日常生活のお守りと考えられている。パンチェンラマ個人の印は、神話の鳥(garudaガルーダ)によって囲まれヘビを飲み込んでいる。dasakaro vasiは、上記のADI BUDDHA、Maha Siddhaであり、カーラチャクラのスペシャリスト Tilopaと一緒に、Nalandaのインド寺院の大学の門上に初めて示されたと言われている。

そのサインは7つの異なる色の織り込まれた文字を取り入れている。1~5の文字は、以下の順序に5つの要素を表す:空気、火、水、大地、空間。第6の文字は、メル山(仏教宇宙の宇宙軸)を表す;第7はハスを表し、12の大陸が車輪上に仏教世界のメル山を取り囲むように置かれている。そして、その一つは我々の地球であると言われる。この上部に、月(10)と太陽(11)がある。ふたつは暗黒のデーモン・ラーフdemon Rahuによって小さな炎の形で 掲げられている。

この絡みあった性格(dasakaro vasi)は、ADI BUDDHAの小宇宙の体の解剖学的地図である。文字を形作っている個々の線は、彼の内部の静脈か神経システムと言われている。mysto?身体的レベル上では、dasakaro vasiのシンボルは、合計72,000チームチャンネルが分岐する10の主なエネルギーチャンネルとして言及されている。全身の概要の出発点は、 ? 我々が上記を解説したように、 ? 性に割り当てられる3つの中心静脈によって形作られ、それらは左(lalana)男性的であるもの、右(rasana)女性であるもの、中央(avadhuti)中性的なものといったチャンネルに置かれている。

dasakaro vasiを組み立てている文字の各々は、エネルギーの特定の形と一致している。地球、火、水、空間といった要素もまたエネルギーとして数えられる。静脈の中を流れるエネルギー流の各々は、対応する魔法のspell(マントラ)により活性化する。まとめて言えば、様々なマントラは一つの魔法の公式を作りだし、それを正しく発音する人誰に対しても、全ての宇宙の支配力を与えると言われている;その語は、「hamkshahmalavaraya」(Mullin、1991、327ページ)。この世界的なマントラは主要なエネルギーのうちの全ての10をコントロールし、また創造を構成するが、それはタントラマスターが彼の精神と呼吸の力を通してコントロールする。

これもその片割れをヨーロッパ人の錬金術や、それが密接に織り交ぜられているカバラの中に持っている。ユダヤ人のシステムにみられる両性具有のカバラ神は、10の(!)エネルギーセンター、10のsephirotセフィロトとこれらから派生する32のcanales occultae(超自然的なチャンネル)から成る神秘的な体を所有している。最初の3つのsephirotは、性の3つの主なタントラのチャンネル と一致している:chochmaは男性、binaは女性、ketherは両性具有者になる。

ADI BUDDHAがdasakaro vasiの静脈システムと同一であるということは疑いない。しかし、我々はここで、 Kalachakraタントラには、「10の力」(dasakaro vasi)が女性のエネルギーシステムの象徴と考えられる多数のしるしがあるが、それは熟練者がある「方法」 (upaya)を通して補助として与えていることを識別しなければならない。それはすなわち「10のshaktis」 または「10匹の強力な女神」と解釈される。(Bryant、 1992、157ページ)。彼らの各々には、特別な名前がついている。これらのshaktisは、ADI BUDDHAの10の原初の力を意味している。それらはさらに意識の10の「完全な状態」と同等視されている:高潔さ、道徳、忍耐、努力、集中、知恵、方法、精神的な目的設定、 精神的な力、飛びぬけて優れた知恵。

ADI BUDDHA は? あるKalachakraテキストで言うように、 ? 彼自身の中にshaktisを溶かしこむ(ダライ・ラマ14世、1985、406ページ)。この文章からは、この溶解の内的行為以前にも、shaktisは現実に、またかすかなものとして外界に存在していたにちがいないと結論づけることができる。我々の疑念が正しいならば、dasakaro vasiのこれら10のshaktisは、時間タントラの4つの最高イニシエーションにおいて、タントラ達人と共にganachakraを祝った10人のムドラーのことになる。Kalachakraタントラの更なる文章がこれについて言及している:「その時、様々な空のシャクティの体が形として現れる」。「ヨギ(その人は空の体の神という形で現れた)はこれらの女神と性的に結びつき、途方もなく、至高の、変わることのない幸福を与える」(Mullin、1991、235ページ)。ここで、彼の「空の体」が女神の「形作られた体」を吸収し、 そのため、彼女らはエネルギー流として、また神秘的な静脈システムとして彼の内部に存在し続ける。 前のセクションでは、ganachakraの実際の女性(karmamudras)が儀式的犠牲を通していかに精神内部の女性(dakinis)に変換され、ヨガ行者の身体の中でmahaムドラー(「精神」)として存在し続けるかを示してきた。Adelheid Herrmann-Pfandは、「dakinis(または10のshaktis)は神秘的なヨガ生理学の静脈と同一視され、そのためヨガ行者の体は、dakinisの集まったものとなる。この統一のプロセスは、これらの静脈の中で循環するエネルギーの結合として考えられるが、これは大きな流れに統一され、時間を遡り、そして最終的に全身を通して脈うつのである。…すべての dakinisの統合を通して、人はすべてのブッダと同じになる」(Hermann-Pfand、1992、pp. 400、401)。

dasakaro vasiのイメージでは、10のshaktis(10のムドラー)は一緒になって、「世界女性」とでもいうべき一つの強力な女性の存在に流れ込んでいる。 Kalachakraタントラでは、Vishvamata(時間の女神)という名前で知られる。印章(dasakaro vasi)の様々な線は、タントラ儀式の最高点において、ヨガ行者またはADI BUDDHAの空の体に挿入された彼女の神秘的な静脈システムを象徴し、彼自身の部分になって彼のコントロール下に置かれる。男性のタントラマスターは、このように女性のエネルギー体を所有している。

Breathing
呼吸

我 々はこのように、現在何が男性として彼に残っているかを尋ねなければならない。ヨガ行者と彼の男性の体は女性となり「大きな女神」に変わったのだろうか?いいえ!タントラマスターが彼自身を「空」作りあげたように、彼は呼吸することを決して放棄しない。彼の呼吸は、統合された「世界女性」または「10のshaktis」を操縦する絶対の制御器具なのだ。呼吸に熟達したヨガ行者は、エネルギー風に乗ると言われている。彼は「風 または呼吸の体」を所有している。風、空気、呼吸は、タントラ用語とその実習における統一を形作る。この理由のため、 dasakaro vasiは10のshaktisまたは 「世界女性」の10の静脈に相応し、Timeタントラでは10の「主要な風」として語られている:「最初の8つの風は神のカップルKalachakraとVishvamataを取り囲む8人の女神(shakti)と一致し、最後の2つは中心に結ばれ女神Vishvamataとつながっている」(Brauen、1992、55 ページ)。

風をコントロールする最終的なステップは、「大きく息をころす」ことだ。これによりヨガ行者は、彼の想像の中の「世界女性」を空に溶かしこみ、彼女を根絶し、もしくは停止させる。しかし、彼が好きな時に無から彼女を再生させることができるようになると、彼は「彼女の人生と彼女の死を統治するもの」となる。彼女の死をもって世界は終わり、彼女のcreatio ex nihilo をもって新たに起こり、そしてヨガ行者の風エネルギーは「新しい世界を形づくることができる特別な力を授けられる」こうチベットのKalachakra翻訳者Lodro Tayeは語っている(Taye、1995、 177ページ)。

ひとたびヨガ行者が dasakaro vasi、世界女性、または「10匹の強力な女神」を取り入れると、彼はADI BUDDHAとなり、中性の「ダイヤモンド体」(vajrakaya)を所有することになる。タントラ研究者(Alex Wayman)は、 vajrakayaがどのように性の力から出現するかを述べている:「女神が秘技参者として、またはその裏にある女性要素として想像されるという事実は、イニシエーションを、タントラにおける段階を追った進歩であり、固有の体の個体化としてとらえている事を示す...これは前遺伝的な両性具有状態と明瞭な光への体の進歩を意味する」(Wayman、1977、69ページ)。 ヨーロッパの錬金術もvajrakayaを持っていて、熟練者はその作品(偉大な作品)のフィナーレで「輝ける体」受けとる。

まとめてみると:Kalachakraタントラの教えによれば、 ADI BUDDHAの神秘的な体は、10の主なエネルギーチャンネルから成りたっている。これらは、マクロコスモスレベルにおいては、我々の世界のすべての力が引き出される10の主要なエネルギーと一致している。 個々のエネルギーを動かし導くために、ADI BUDDHAは、彼の呼吸をすべて超えたものを利用する。彼のエネルギー体は、dasakaro vasiとして象徴的に描写されている。

この「病因論」のサインは、我々をganachakraまたは時間タントラの最後の4つのイニシエーションに導くことになる。10のエネルギー風(10のshaktis)は、 性的な魔法の儀式に参加する10のカルマムドラーと一致している。dasakaro vasiは更に、Vajrayana仏教における「tantricな女の犠牲」の基本的な重要性を証明している。ヨガ行者がADI BUDDHAの中性的なダイヤモンド体を得ることができるように、ganachakraの10人のタントラ性的パートナーのもつ女性性が盗まれ、それはヨガ行者の神秘的な身体に集積されている。この体は、彼が宇宙のプロセスを制御する間ずっと強力な器具となるのだ。

つづく

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世界を支配する王 その29


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『ダライ・ラマの闇』
http://www.iivs.de/~iivs01311/SDLE/Contents.htm

yasuさん翻訳による8章です。

8. ADI BUDDHA:彼の神秘的な体と彼の星の面

カーラチャクラのイニシエーションの中で最高ゴールが、ADI BUDDHAと呼ばれる精神的状態の達成である。1833年には、チベット学創設の研究家(ハンガリーのCsoma de Koros)は、Maha Siddha TilopaがNalandaの仏教大学の入門として定めたと言われている有名なKalachakraを、ヨーロッパの言語で始めて引用した。それらの中でも、ADI BUDDHAは最も高いものとして紹介され、他の全てはそこから現れる: 「彼が最高位の最初のブッダ(Adi-Buddha)知らないのであれば、時間の環(Kalachakra)を知ることはない。彼が時間の環を知らないのであれば、神の特質の正確な列挙を知ることはない。彼が神の特質の正確な列挙を知らないのであれば、最高の知恵も知らない。彼が最高の知恵を知らないのであれば、タントラの原則を知らない。彼がタントラの原則を知らないのであれば、そのような人々は生まれ変わりの世界の中で、そして最高の偉業への道から外れた放浪者である。したがって、Adi-Buddhaはすべての本物のラマ僧により教えられなければならない。そして解放を切望するすべての本物の弟子は彼らの話を聞かなければならない」(Koros、1984、pp. 21、22)。他のいかなるタントラも、KalachakraタントラほどADI BUDDHAについての考えを、教えの主要なものとしなかった。

ADI BUDDHAのことを、歴史上のブッダがニルヴァーナと称す最も高い精神世界の存在だと推量するのは誤りである。 我々がこの覚醒(ニルヴァーナ)の最終的な領域につながる3つの意識の出入口を調べると、これは明らかになってくる:(1)空虚(shunyata);(2)signless無相?(animitta);wish-less無欲(3)(apranihata)。

ニルヴァーナ raison d’etre of Buddhismは、これらの3つの出入口のために、言葉では定義する事が出来ないほど大きなものだ。我々はそれについて話すことができるだけであって、ことばで決して捕えることはできないし、概念的に把握するだけである。EdwardConze(仏教の著名な歴史家)は、 仏教著者がこれまでにこの宗教の最も高い精神的レベルを「描こう」 とした、たくさんの絵」を集めた。そのいくつかをここで引合いに出そうと思う:ニルヴァーナは、不変で、終りがなく、持ちこたえ、不死のものである。そしてそれは平和、休息、沈黙、解放、放棄、見えないもの、隠れ家、至福の善だ。

ニルヴァーナの非人間的な「特徴」は、このリストからすでに明らかになる。ニルヴァーナはこのように、ある状況下の人間のことではなく、むしろ意識の状態のことである。この理由のために、初期の仏教図像の中では覚醒したブッダの身体の描写が禁じられていた。ブッダがニルヴァーナへ入った後に、 彼は象徴的に描かれたのであり、決して物理的なものではない ? 例えば火の車輪や、また火の柱として、アーティストが彼の不在を「空の」王座として描くように。すでに空虚の中にある「崇高なOne」 は、視覚的に描写されることはできなかった。

したがって、ニルヴァーナは創造ではなく、創造の根本原因さえでなく、むしろ停止なのだ。それは活動ではなく、むしろ不活動である;目標へ向かう思考ではなく、むしろ無思考だ。それは意図がなく、 動機づけを知らない。それは命令することはなく、 むしろ静かなままである。それは公平で、関わりが欠如している。そしてそれは時間の外側にあり、性を持たない。仏教(神秘的な「明るい光」と同一の)の最初の歴史の段階では、それは均一ではないが、しかし ? 創造的な力、最も高く明るい光、行動、思案、動機づけ、命令 ? こういった事がADIBUDDHAにあてはまる。

ニルヴァーナとは異なり、ADI BUDDHAは性的に中立でなく、むしろ彼は心の中で性の両極性を集積したGreat Cosmic Androgyne?偉大なる宇宙の両性具有者?である。彼は彼自身から現れて、彼自身を通して存在しているので、彼には父も母もいない。彼は生まれもせず死にもせず、始まる事も終わる事もない。彼は最も高い幸至福であり、すべての苦しみから自由である。彼は色褪せることなく、完璧で、相対するものの崩壊であり、全体である。彼は、知恵と方法、形と無形、同情と空虚であり、彼は静けさと運動であり、彼は静止していてもダイナミックである。彼には、無数の名前があり、彼は全宇宙的な神、最高位の支配者である。彼に捧げられる古いイ ンドの賛美歌の歌詞にはこうある、

He is the ONE and proclaims the teaching of unity;
彼はONEであり、統一の教えを宣言します;
He stands at the summit of being.
彼は存在の極限のところに立っています。
He permeates everything; he is the infallible way.
彼はすべてに浸透しています;彼は絶対確実な道です。
He is the victor, one whose enemy is defeated,
彼は勝者であり、敵は破られ、
a conqueror, a world ruler who possesses the great powers.
征服者であり、列強を占有する世界統治者です。
He is the leader of the flock, the teacher of the flock,
彼は、群衆のリーダーで、群衆の教師です
the lord of the flock, the master of the flock, the wielder of power.
群衆の支配者であり、群衆のマスターであり、権力を振るう者です。
He has great power, withstands all burdens.
彼には大きな権力があり、すべての重荷に耐えます。
He does not need to be led by others; he is the great leader.
彼は他の者に導かれる必要はありません;彼は偉大なリーダーです。
He is the lord of speech, the master of speech,
彼は言葉の支配者で、言葉の達人です。
the eloquent one, the master of the voice, the eternal word.
雄弁なものであり、声の達人であり、永遠の言葉なのです。
(quoted by Gronbold, 1995, p. 53)
(Gr nbold、1995、53ページ)

我々は、仏教教育の歴史における興味深い分岐点に立っている。ニルヴァーナが名付けることのできない非人間的な、性のない空虚の代わりに、我々は突如、両性具有で万能の統治者に直面している。ニルヴァーナに住む仏像は全ての時間の外側にあり、対照的にADI BUDDHAは、Maha Siddha Tilopaのよると、時間神Kalachakraと同一である。「彼は時間の輪であり、同等のものもなく、不滅だ。」(Carelli、1941、21ページ)。「Primordial Buddha[ADI BUDDHA]は、時間の輪に、 創造と破壊のサイクルや、我々の存在を定める絶え間ない変化を生じさせる」とバーンバウムは語っている(Bernbaum、1980、127ページ)。彼はこそが「Kalachakraタントラの帝王」なのだ。

彼はタントラの秘密の全教義を知り、体と言葉と知識をコントロールし、あらゆる魔法の力を持っている。Kalachakraタントラは、幻想の支配者として彼を誉め称え、多くの幻影的な形を発している。このような力を発することで、彼は木を根こそぎにし、山頂をを揺るがすのだ」(Newman、1987、296ページ)。 彼はdharmaraja(法律の帝王)であり、教主としてすべての存在に命令する。彼は全宇宙の最高位にある裁判官として、神と人間を統轄する。救済を運ぶ者として、仏教の敵を打ち破り、その支持者を黄金時代に導く。ADI BUDDHAは仏教宇宙の中央にあって活動し、同時に彼自身から発散されている。それでも、 彼はヨギとして擬人化した人間の形として現れることもできるのだ。

哲学の理想主義の言葉でADI BUDDHAを説明するならば、「絶対の精神」、「絶対の個人性」、「絶対の自我」のようなフレーズを持ち出さなければならないだろう。彼はヨギの自我のipsissimus(秘密の首領)で、ヨギは性的な魔法の実行を通してそこに到達しようとする。イニシエーションの最後に、彼は誇りをもって一つのタントラテキストを叫ぶ:「私は、意識の空の中にある、自分自身の内に宇宙を現出させる。わたしは宇宙であり、そして創造者である。[…]宇宙は私の範囲内に溶解する。私は意識の偉大なる永遠の火の、その炎なのだ。」 (Dyczkowski、1987、189ページ)。

もちろんこれらの文は、個々の「自我」ではなく、 むしろ神聖な宇宙的存在の「超自我」を示している。

ADI BUDDHAの絶対の主観化と同様に、彼の意志は法であり、その力は限りなく、この至高の存在を偉大な宇宙の機械と見る変わった見解もある。万能のブッダはあらゆる歯車が他の歯車と結ばれ、すべてがかみ合っている時計仕掛けであると想像されたりもした。仏教宇宙発生論とそのコントローラのメカニズムは、この連鎖の変化させられる事象を何も必要とすることなく、果てしなく繰り返し続けるのだ。すべては、その位置、その命令、その繰り返しを持っていて、我々が示すように、それ自身の破壊さえもがそこに本来備わっている出来事であった。そしてそ引き続いて起きる、神の装置の避けられない復活も同様である。決して終わらないプロセスを決して止めることはできず、決して引き返すこともなく、 また決して多様でもないた。Friedrich Nietzscheが「永遠の繰り返し」のビジョンを経験したとき、この宇宙時計を一目見たにちがいない。ADI BUDDHAがこの世界時計であり、神の機械または神聖なる機械であり、絶対の意志と絶対のメカニズム、絶対の主観性と絶対の性質客観性、絶対のエゴと他者は、ADIBUDDHAの絶対の原型の中に統一を見つけると思われる。このパラドックスは、大きな神秘的な秘密としてタントラ教師によって広められている。

Kalachakraタントラの万能のブッダ(ADI BUDDHA)は、疑う余地なく、一般的な神、世界統治者(pantocrat)、 救世主(savior)と創造者のすべての特徴を示している;彼は、疑う余地なく一神教の特徴を有している。 [1]

全能の神的存在のアイディア、そしてその多くの特徴は近東の創造神の概念に合致し、それは大乗仏教仏教にすでに受け入れられるとともに、初期のタントラ(4世紀C.E)にも取り入れられた。最初にその成熟と最終的な公式をカーラチャクラの教え(10世紀)に見つける。ADI BUDDHAの一神教信者の特徴から、多くの西洋の研究者が、元来の近東への非仏教的なものの影響を疑っている。イランの源流への納得のいく言及もなされている。イメージの継続的な発達とその輪郭は、イスラム教に対する反動からさらなる恩恵を受けている。インドと近東では、個人的に置かれたアラーの顕現は、博識な仏教僧のエリート主義的で「抽象的な」ニルヴァーナ教義に対する、魅力的で感情的な反モデルとして普通の民衆に紹介された。このように適当なカリスマ的イメージを、元々持つ信仰の崇拝に加えるのは自然なことだったように思われる。ADI BUDDHAはまた、第一の神としてヒンズー多神教に代わるものを表すようになり、それは仏教が後にコーランの教えに脅かされたのと同じほど、ヒンズー教にとって強い脅威だった。

このような神の主観化イメージは、偉大な学者Nagarjuna(2~3世紀)が現れるまで、初期の仏教学校における正当な哲学的意見ではなかった。彼らは「ブッダ」を創造主Mundiとしてではなく、意識レベル・認識フィールド・覚醒段階・空虚・簡潔な精神状態として描写するのにたいへん骨を折った。しかしながら、たとえばADI BUDDHAのシステムでは、創造的な側面は神の激怒の現れ、または神的破壊という黙示録的審判の偉大なる役割を演じる。しかし、高度の精神的な自己を超えたブッダ意識は創造と破壊、生死を越えたレベルに存在している。

ADI BUDDHAは教義によると、全タントラ儀式システムに広がる「神学上の」原理である。完成した形態としては、Kalachakraタントラの個々の開始レベルを通って活動しているヨガ行者として、そしていまだ発展中の彼の不完全な形態としては、「雌雄同体cosmocrat」の完全体にとして現れる。不完全体においての彼は修行中のヨギであり、カーラチャクラタントラの個々崇拝レベルでの発展途上にある。原則として、タントラマスターの神秘的な身体はADI BUDDHAのそれと同じものだが、ヨギが彼の人体のすべての要素を「絶滅して」、それを神の体に変えた時初めて、その完全な同一化が起こる。

それではここで、Kalachakraタントラに記されたADIBUDDHAの力の拡大を見てみよう。基本的に、それは5つの面を示している:

1.内面
これはヨギ(またはADI BUDDHAそれぞれの)の中性的なエネルギー体にある、小宇宙を通しての手順として記述することができる。この「生理的地図」は、 複雑なシンボリックな性格、いわゆるdasakaro vasi(10のエネルギー風)として表される。より詳しくこのサインを調べてみよう。

1. 現世の/星の面
これは星まで伸びている。彼の小宇宙的な局面で、 ADI BUDDHAは全宇宙を包含している。太陽、月、星といった天体に言及される際、Kalachakraタントラは、 これをすべての古代文化の中のものとして、そして時間の指標として扱っている。これらをコントロールする者はみな誰もが時間の達人である。この章では、我々は時間のいろいろなタントラモデルを分析する。

1.空間的な/宇宙的な面
これは同様に全空間に拡大する。ADI BUDDHAは人でもあるが、同様に仏教宇宙の構造と同一であり、あるいは ? もう一つの見方では ? 全宇宙の小宇宙的モデルは、ADI BUDDHAの小宇宙体に相応している。両方ともマンダラ(宇宙図)の形をとっている。ここでは、ADI BUDDHAが力を振るう全宇宙の構造を解説する。

1.世界的な/政治的な面
これは仏教世界統治者(Chakravartin)についての考えに焦点を当てている。我々が示すように、ADI BUDDHAは全世界に対する現実の政治権力を率直に求めている。

1.神話的政治プログラム
Kalachakra タントラは世界統治者を一般的な話題として扱うことはないが、特定のユートピア、イデオロギーや国家の形に発展しシャンバラ神話に要約されている。ADI BUDDHAの世界政治プログラムはカーラチャクラタントラと後のチベットの歴史解析の理解のために大変重要である。別々のセクションをそれぞれに割くことにする。

第2部の我々の政治的部分の研究(「儀式としての政治」)では、ダライラマ14世と関連したこれらの5つの面全てについて調べてみる。 彼は、現在最も高いKalachakraマスターであり、その人、行動、思考がADI BUDDHAの概念に最も近い。

つづく

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