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あいさつ

表紙の写真の作品は、2003年に制作したものです。
尚、当ブログの記事の引用・転載は必ずリンクを貼ってください。


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地球からもガンマ線が放射されている。雷雲は天然の加速器。


私は昔からよくこういってきた。

「真理を知りたいと、ほとんどの人が遠い宇宙に目を向けがちだけど、宝ものはいつも目の前にあるのにね。ほら、あなたの足元に転がっているよ」。

それでエッセイ本のタイトルに「目の前の贈りもの」とつけたのです。

ガンマ線バーストといえば、遠い宇宙のかなたの出来事と思っている人も多いでしょうが、実は地球からもガンマ線が放射されています。ガンマ線ビーム。発生場所は雷。正確には雷雲かな。雷が実際に光るのはガンマ線の検出から約1分後ですって。

ガンマ線ビームが出てから雷が光る。(私は宇宙のはじまりの最初は音で次に光と考えているので、それを重ねた。)

雷雲は天然の加速器なんですね。

カミナリ=神は鳴り成りて。この大きな贈りものを生かせば、凄いことになるのにねとつくづく思う。

降雨時に環境放射線が長時間、増えることはよく知られていますが、雷発生時にも増えます。放射線が突然上がるとすぐに原発(最近では東電福島第一原発)にばかりに気を取られがちだけど勉強しないとね。

大飯原発に設置された(屋外・地上から原子炉のON/OFFをモニタリングする)車載式反電子ニュートリノ検出器で雷からガンマ線を検出。ガンマ線だけでなく中性子も出ているそうですよ。中性子は初めて聞きました。昨夜そのニュースをみつけて記事の準備をしていました。

雷の研究をするには日本は絶好の観測地なんだそうです。

翻訳はyasuさんにしてもらいました。
Observation of gamma ray bursts at ground level under the thunderclouds
http://arxiv.org/abs/1601.06349

雷雲の下のグランド・レベルでのガンマ線バーストの観測
Y.黒田、S.小栗、Y.加藤、R.中田、Y.井上、C.伊藤、M.箕輪
(2016年1月24日(このバージョン)、最新版2016年1月26日(V2)提出)

私たちは、日本海の沿岸地域で大飯発電所に配備された360キロのプラスチックシンチレータで作られた反ニュートリノ検出器PANDAのプロトタイプを使用して、冬の雷雲に関連する3γ線バーストを観測しました。3 MeV以上の高いエネルギーで析出されたイベントの最大率は (5.5±0.1)×102/sでした。

モンテカルロシミュレーションは、このバーストで観測された総エネルギースペクトルが、100メートル単位の高度から下方に落下するほぼ単色エネルギーの電子による制動放射γ線によってうまく説明されることを示しました。シードのように作用している二次宇宙線電子は、雷雲の電界で加速され、相対的な電子雪崩の暴走から増幅されたと推定されます。実際にバーストのγ線は天頂に近い方向から検出器に入力されたことがわかりました。バースト中の方向は、検出器の分解能内にコンスタントにとどまりました。

また、検出器の遅延同時検出を利用して、我々は、約14±5 /秒の最大速度でのバーストに中性子イベントを発見しました。

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島根県原子力環境センターもガンマ線を観測しています。
雷雲の放射線を詳細に観測 ガンマ線は平時の4倍 「短時間バースト」も 島根県原子力観測センター「雷放電メカニズムの解明へ」
http://news.livedoor.com/article/detail/11085233/

冬季の雷雲活動に伴って強い放射線が放出される現象の詳細な観測に、島根県原子力環境センターが成功した。

平常時の4倍近いエネルギーのガンマ線が計測されたほか、「長時間バースト」「短時間バースト」と呼ばれる現象も克明にとらえた。こうした観測例はきわめて珍しく、雷と放射線の関係解明につながると期待がかかる。松江市で20日に開かれる同センターなどの発表会で報告される。

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センターが今回、雷雲による放射線放出の詳細な状況を観測したのは、昨年2月5日。観測地点の1つで放射線量が午前6時29分から約2分間にわたって上昇した。これが「長時間バースト」で、この間に「短時間バースト」とみられる瞬間的な上昇も観測された。

この時間帯には松江市付近で雷雲が発達し、落雷があったことも、外部の気象データで裏付けられた。

この観測地点では通常、ガンマ線のエネルギー量は3メガ電子ボルト程度だが、この間は最大で11メガ電子ボルトの放射線を検出。放射線量率(1時間当たりの放射線量)も126ナノグレイ毎時と、同所の年間平均値(21ナノグレイ毎時)を大きく上回った。


以下は資料としてアップしておきます。

カミナリ雲からの謎のガンマ線ビームを追え!
https://academist-cf.com/projects/?id=16

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実はカミナリの研究を行う上で、日本は絶好の観測地なのです。日本海側で冬季(10月~2月)に発生するカミナリ雲は世界的にみても電気エネルギー量が大きく、さらに雲の高度も低いため、普通はほとんどが大気に吸収されてしまうはずの加速された電子やガンマ線が地表まで届きやすいのです。私たちは、この有利な気象条件を活かして複数の観測地点でのマッピング観測を行いたいと考えています。複数地点で観測することで雷雲に隠れた現象をより詳細に検出し、また動いているカミナリ雲を追跡しながら観測することもできるようになります。

2007/10/5 日本海側の冬の雷雲が40秒間放射した10 MeVガンマ線を初観測
http://www.s.u-tokyo.ac.jp/ja/press/2007/18.html

新潟県柏崎刈羽原子力発電所の構内で雷活動に伴って自然放射線が増える現象を調査した結果、2007年1月7日の早朝に雷が発生する1分以上前より、上空の雷雲から10 MeV(メガ電子ボルト)(注1)のエネルギーをもったガンマ線(注2)が40秒間にわたり放射される様子を観察することに成功しました。これは、理研中央研究所(芽幸二所長)牧島宇宙放射線研究室の土屋晴文協力研究員、牧島一夫主任研究員(東京大学教授)らと東大大学院理学系研究科物理学専攻の榎戸輝揚大学院生・日本学術振興会特別研究員を中心とするグループによる成果です。

降雨の際に、環境放射線が長時間にわたって増えることはよく知られています。さらに近年、日本海側で冬季雷の頻発する時期に、沿岸の原子力発電所構内に設置している放射線監視装置が、降雨の影響とは違う要因で放射線が短時間、増加する兆候を観測していました。しかし、その詳細は定かではありませんでした。研究グループは、従来の装置に比べ放射線への感度が高く、飛来する放射線の種類や方向、エネルギーがわかる新型の装置を開発し、この装置に周囲の光・音・電場(注3)も同時に測定できる機能を加え、2006年12月22日より観測を始めました。その結果、この冬一番という強い低気圧が発達した2007年1月7日の午前6時43分ごろ、40秒間にわたる放射線量の増加を観測し、それが落雷の70秒ほど前より雷雲から放射されたガンマ線によるものと突き止めました。このガンマ線は、雷雲中のマイナスの電気を帯びた電子が、雷雲の下部にあるプラスの電気の層に引き寄せられ、ほぼ光の速さにまで加速し、制動放射(注4)というメカニズムで発生すると結論づけました。

今回のように雷雲から放射されたガンマ線を観測したのは、世界でも稀です。この結果は、雷などによる放射線の増加現象の解明に貢献するだけでなく、いまだ謎が多い雷の発生メカニズムの解明や宇宙での粒子加速の仕組みの理解にも役立つと期待されます。

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理研の高エネルギー検出器では、この40秒間におよそ60発程度のガンマ線光子を観測し、その中に10 MeVに達するものもありました。さらに、光や電場観測装置のデータ(図4(d)、(e))から、雷が実際に光ったのは、ガンマ線の検出から約70秒後で、その後4回、雷が発生しています。しかし、いずれの雷でも、それらに同期して発生しているような放射線の増加はいっさい見られませんでした。このため、観測したガンマ線は、雷そのものではなく、雷雲と関連したものと言えます。

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研究グループは、以前より太陽を含む遠方天体での粒子加速のメカニズムを知りたいと思い、衛星や地上の観測装置を用いて研究をしてきました。そして、視点を変えて遠くの宇宙を望むのではなく、地球内に目を向けることで、今回の結果を得ました。これにより、私たちの身近にある冬の雷雲が、研究グループが以前より研究対象としていた宇宙の天体と並んで、電子を高いエネルギーにまで加速する天然の粒子加速器であることが判明しました。また、ほかの惑星でもその可能性があります。したがって、地球や太陽系の他の惑星での雷活動時における高エネルギーX線やガンマ線の観測が、宇宙の粒子加速器の謎を解明する貴重なヒントになると考えています。

車載式反電子ニュートリノ検出器の開発研究
https://kaken.nii.ac.jp/d/p/23340057/2011/3/ja.ja.html

平成23年度は、プラスチックシンチレータ16本を用いた第1次プロトタイプ検出器であるlesser PANDAを用いて試験的な測定をおこなった。測定は中部電力浜岡原子力発電所において、2011年3月上旬から開始した。浜岡原子力発電所3号機の炉心から約40mの位置にlesserPANDA検出器をトラックに積載した状態で設置し、測定を開始した。しかし2011年3月11日に発生した東日本大震災の影響で浜岡原子力発電所3号機が稼働せず、結果として2011年5月中旬まで2ヶ月間のバックグラウンド測定を行うこととなった。

この測定では原子炉のON/OFFに伴うニュートリノフラックスの変動を測定することは出来なかったが、定期的なデータ回収作業を除くと、2ヶ月間の無人運転が可能であること、バックグラウンドの変動が十分に小さいことが確認できた。

lesser PANDAの浜岡原子力発電所での測定終了後、プラスチックシンチレータを36本用いた第2次プロトタイプ検出器PANDA36の開発をおこなった。PANDA36は関西電力大飯発電所の2号機近傍に輸送され、2011年11月中旬から2012年1月中旬までの2ヶ月間測定をおこなった。原子炉は2011年12月中旬に定期検査入りしたため、原子炉稼働中(ON)と停止中(OFF)それぞれ1ヶ月間ずつのデータを取得した。

両者を比較した結果、ニュートリノ由来だと思われる差が確認された。一方でバックグラウンドの大多数が宇宙線の原子核破砕反応で発生した高速中性子による事象であることを解明し、高速中性子バックグラウンド事象とニュートリノ事象を判別する手法を確立した。

雷のガンマ線から「電子の反物質」の痕跡を発見
http://wired.jp/2009/11/09/%E9%9B%B7%E3%81%AE%E3%82%AC%E3%83%B3%E3%83%9E%E7%B7%9A%E3%81%8B%E3%82%89%E3%80%8C%E9%9B%BB%E5%AD%90%E3%81%AE%E5%8F%8D%E7%89%A9%E8%B3%AA%E3%80%8D%E3%81%AE%E7%97%95%E8%B7%A1%E3%82%92%E7%99%BA%E8%A6%8B/

一方、フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡の観測結果によると、最近発生した2度の雷雨においては、特殊なエネルギー[511 keV]を持つガンマ線の放出が記録された。これは、電子と対をなす反物質(反粒子)である陽電子が、電子と対消滅を起こすことによってしか生成されない量のエネルギーであり、雷雨に際してこのようなものが観測されるのは初めてのことだという。[陽電子は電子と対消滅することにより、質量がエネルギーに転換される]

[冬季に発生する雷の電流波形には、負から正へまたは正から負へ電流の極性が反転するものがあるという研究(PDF)がある]

TGFs (Terrestrial Gamma-ray Flashes)
http://www.ep.sci.hokudai.ac.jp/~jemglims/science/TGFs.html

地球起源のガンマ線放射 (TGFs: Terrestrial Gamma-ray Flashes) が存在するという衝撃的な事実は,ガンマ線天文台(CGRO)衛星に搭載されて いるBATSE (Burst and Transient Source Experiment) によって1994年に初めてもたらされた [Fishman et al., 1994]。Fig.1にBATSE によって観測された地球ガンマ線の例を示す。太陽や銀河起源のガンマ線バーストの継続時間は数msecから1000 sec以上のものまで様々であるが,BATSE の観測によると,地球ガンマ線については数msec以下という非常に短時間の現象であり,ほとんどがシングルパルスであった。また,ガンマ線はエネル ギー分散をしていることも判明した。

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ところが近年,地上で展開する雷起源の電磁波観測によって,地球ガンマ線を発生させる雷は必ずしもスプライトを発生させるような大放電エネ ルギーをもつ雷ではなく,むしろ雷放電の放電エネルギーには相関がないことが明らかになっている [Cummer et al., 2005]。これは,地球ガン マ線のデータは衛星で観測されたもの,雷放電のデータは地上観測や他の衛星によるものであるため,観測機器間の時刻同期精度が数ミリ秒以上あり,そ れらの時間的,空間的な対応が確実なものではないことが要因であると考えられる。地球ガンマ線の発生源とメカニズム明らかにするためには,雷のどの 放電プロセスと地球ガンマ線とが相関しているのかを検証することが唯一の方法である。

地球で発生する謎のガンマ線放射の正体に迫る
http://www-heaf.hepl.hiroshima-u.ac.jp/glast/121220press/121220press.html

TGF_Fermi.jpg


フェルミ衛星に搭載されたガンマ線バースト検出器は、地球方向から到来する明るいガンマ線放射を大量に観測し、 高い時刻決定精度を活かすことでガンマ線放射の一部が雷の発生と同期していることを明らかにしました。ガンマ線放射と 雷との関連が明らかになったことで、今後この地球からやってくる謎のガンマ線放射の正体解明が大きく進むことと期待されます。

フェルミ衛星が観測しているガンマ線は、ブラックホールやパルサーなど、地球から遠く離れた高エネルギー天体が主な放射源ですが、実は我々の地球からもガンマ線が放射されています。

原子炉由来反電子ニュートリノ検出器の開発
http://www.icepp.s.u-tokyo.ac.jp/info/sympo/18/torape/ykato_icepp2012.pdf
PANDA36:第2次プロトタイプ検出器PANDA36(2011~)
lesserPADNAで実現しなかった原子炉のON/OFFモニタリングが目的
PANDA36:大飯発電所での測定(30ページ目に写真などがあります。)
屋外・地上から原子炉のON/OFFをモニタリングすることに成功




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